本記事では、家の隅々までWi-Fiの電波が届く自宅環境を構築できるメッシュWi-Fiの特徴やメリットデメリットについて解説していきます。
メッシュネットワークを構築することで今までWi-Fiが繋がりづらかった部屋でも高速インターネットが利用できるようになります。電波を受信しにくい構造の住宅に住んでいる人や自宅のどこでもスピーディーなWi-Fi接続を希望する人はメッシュWi-Fiの特徴を活用してメッシュネットワークを構築してください。
また、様々なWi-Fi機器を同時接続する人や大家族でWi-Fi速度を安定させたい人にもメッシュWi-Fiはおすすめです。
- メッシュWi-Fiネットワークで自宅のWi-Fi環境がワンランクアップする
- メッシュWi-Fiは、メッシュネットワークで通信の安定性と安全性を高めることができる拡張性に優れたシステム
- Wi-Fi同時接続台数が多くWi-Fiルーターの負荷が上がることでネット速度が遅くなる原因を解消できる
- メッシュWi-Fiは親機の概念がなく中継機は全て同一のWi-Fiルーターを利用する
- 今までWi-Fiが繋がりづらかった部屋も快適なインターネット環境が手に入る
メッシュWi-Fiとは
メッシュWi-Fiは、自宅のWi-Fi環境でも利用できる網目状(メッシュ)に張り巡らせたWi-Fiネットワーク技術のことをいいます。網目状にWi-Fiネットワークを張り巡らせて同時接続できるWi-Fi機器台数を増やすことができるため、不特定多数の人を自宅に招いてホームパーティーを楽しむ人やインターネット利用頻度が高い世代の子供が2人以上いる家族にもおすすめできます。
Wi-Fiルーターで電波を受信してインターネットに接続する仕組みは同様ですが、自宅全体にWi-Fiのアクセスポイントを増やしてWi-Fiネットワークを構築するので、従来のWi-Fiルーターよりもインターネットに繋がりやすい環境を作ることができます。自宅の構造上、Wi-Fi電波が受信しづらい下記のような場所でも快適にインターネットが利用できるようになります。
■メッシュWi-Fiルーター導入で繋がりやすくなる場所
※速度が早いWi-Fiルーターに買い替えても通信速度が変わらない場所など全般的に効果的
- Wi-Fiルーターから離れている場所にある寝室
- リビングから離れている2階・3階の部屋
- Wi-Fiルーターから距離がある書斎など
- 子供部屋
- 玄関
従来のWi-Fiルーターで通信速度が遅くなる、同時にインターネットを使うとルーターの負荷が大きくなって速度が遅く感じる、中継機のルーターを設置したけど体感速度に変化を感じない、など自宅のWi-Fi環境に不満を持っている人にメッシュWi-Fiはおすすめです。
Wi-Fiってなんとなく使っていたけどそもそもどうやって繋がっているの?という人は下記記事でWi-Fiについての基礎知識を網羅的にまとめているので先に確認してください。
続いて、メッシュWi-Fiと従来のWi-Fiルーターの違いについて確認していきましょう。
メッシュWi-Fiと従来のWi-Fiの違い
メッシュWi-Fiと従来のWi-Fiルーターの違いについて解説していきます。まず、一覧表で確認してください。
メッシュWi-Fi | 従来のWi-Fi | |
---|---|---|
Wi-Fi接続方法 | 複数台のWi-Fiルーターに接続するのが前提 | 1台のWi-Fiルーターに接続するのが前提 |
Wi-Fiルーターからの距離 | 設置方法の工夫で関係しない | 大きく関係する |
速度の安定性 | インターネット回線の速度を安定して引き出す | 接続台数増加・ルーターからの距離が遠くなると不安定 |
複数台設置 | 親機にあたる機器がなく、全て同一機器を使用する | 親機と子機(中継機)で構成される |
ルーター価格 | 従来よりも割高 | メッシュWi-Fiよりも安い |
メッシュWi-Fiと従来のWi-Fiの違いは、Wi-Fiルーターへのアクセス方法に大きな違いがあります。
従来のWi-Fiは1台のWi-Fiルーターにアクセスするのに対して、メッシュWi-Fiは同一機器を設置して近い距離にある複数台のWi-Fiルーターにアクセスしてインターネットに接続する仕組みになっています。
メッシュWi-Fiは、アクセスポイントが複数設置できる上に従来のWi-Fiルーターのように親機と中継機(子機)の関係を持ちません。メーカーによって概念は少し異なりますが、メッシュネットワークは従来のWi-Fiネットワークのように親機にあたる機器がなく、全て同一機器でインターネットに接続するため常にWi-Fi速度が安定しやすい特徴を持ちます。
続いて、従来のWi-Fiルーターでアクセスポイントを増やすのに欠かせない中継機とメッシュWi-Fiルーターの違いについて解説していきます。
メッシュWi-Fiと中継機の違い
一般的な家庭では、インターネットプロバイダが貸し出すレンタルWi-Fiルーターやネット通販・家電量販店で購入するバッファローのWi-Fiルーターなどを利用しています。従来のWi-Fiルーターは、アクセスポイントが1箇所のみなので、Wi-Fi中継機を利用して電波が受信できるエリアを広くしていました。
しかし、Wi-Fi中継機は親機の電波を橋渡しして受信する子機に該当します。そのため、Wi-Fi速度の改善やWi-Fiルーターの負荷軽減に大きな貢献をするケースは少ないです。
自宅に構築するWi-Fiルーターの問題点を解消したのがメッシュWi-Fiネットワークに対応しているWi-Fiルーターです。
メッシュネットワークに接続することでWi-Fi接続先が上手に分散されてひとつのWi-Fiルーターに負荷が集中しなくなります。大きな自宅だったら従来の中継機を利用しても負荷軽減につながる可能性は低かったですが、メッシュネットワークで中継機を構築すれば全てのアクセスポイントが親機として機能するため高速インターネットが利用可能になります。
GoogleのメッシュWi-Fiなどはもっとも近い距離に設置しているWi-Fiルーターの電波を受信する仕組みになっています。そのため、スマホを持って移動しても自動的に判別してもっとも近いメッシュ中継機の電波を受信するので、電波の強弱を気にする必要がありません。
メッシュWi-Fiのメリット
続いて、メッシュWi-Fiのメリットを確認していきましょう!
- 親機に依存しない中継機を複数台設置して自宅のWi-Fiネットワークを網の目状にして高速化する
- 家族がスマホ、テレビ、ゲーム機などに同時に複数台設置しても速度が遅くなりづらい
- メッシュネットワークを上手に構築すれば電波受信の障害物を回避できる
- 近くの中継機を自動判別して接続するので常に快適なインターネット通信ができる
- Wi-Fi設定が簡単・Wi-Fi切り替えがスムーズ・多段接続の制限が緩い
上記のようなメリットがあります。特に効果を発揮するのが戸建住宅で2階・3階とフロアが分かれている住宅です。床暖房を各フロアに設置しているとWi-Fi電波が届きづらくなりますが、各フロアにメッシュネットワークで中継機を設置すれば、自宅のどこにいても高速インターネット環境が手に入ります。
メッシュWi-Fiのデメリット
続いて、メッシュWi-Fiのデメリットを確認してください。
- インターネットプロバイダの無料レンタル機器の中にないので必ず自分で購入する必要がある
- 親機と子機の概念がないのでWi-Fiルーターの購入価格がアップする
- 従来のルーターのように詳細設定ができない機器が多い
- 自宅の広さや構造によってはアクセスポイントが増えてしまう
上記の点がデメリットとして挙げられます。従来のWi-Fiルーターと比較すると、購入価格がアップするのがデメリットです。インターネットプロバイダの無料レンタルルーターを利用している人と比較すると、2万円〜5万円程度の出費がかさんでしまいます。しかし、自宅のインターネット環境を便利にすることができるので筆者はおすすめします。
おすすめメッシュWi-Fiルーター
最後におすすめのメッシュWi-Fiルーターを確認していきましょう!
世界最大のインターネット企業であるGoogle社が開発しているGoogleメッシュWi-Fi(Google Nest Wifi)は、多くの人から評価が高く人気があります。また、国内の定番メーカーであるBUFFALOのメッシュWi-Fiも日本人の感性や住宅構造に最適化されて製造されている点がメリットとして挙げられます。
下記の点も考慮してメッシュWi-Fiルーターを選びましょう!
■メッシュWi-Fiルーターの選び方
- 最大通信速度(速度重視なら下り最大速度がもっとも速い機器を選びましょう)
- 対応バンド数(2.4GHz、5GHzに対応しているデュアルバンドやトライバンドがおすすめ)
- アクセスポイントの数(アクセスポイントが増えると機器購入費用が上がります)
- メッシュWi-Fiの価格(1台あたり7,000円〜2万円前後)
それでは人気があるメッシュWi-Fiを確認していきましょう!
Google Nest Wifi
家の隅々に安定した電波を供給できる拡張性に優れたシステムを提供するGoogleのメッシュWiFi。全てのルーターがGoogleアシスタント搭載スマートスピーカーになっているので、自宅のインターネット環境を劇的に改善してスマートハウス化するのに欠かせません。高速ストリーミングが可能なので最大で200以上のデバイスに接続できます。4K動画もストレス無しで楽しめます。
ルーター1台、拡張ポイント2台を設置することで最大約300平方メートルもの広いエリアで安定した通信速度が期待できます。
1台18,150円〜購入できます。国内トップクラスのメッシュWi-Fiルーターが欲しいならGoogle Nest Wifiを活用してください。
機器名 | Google Nest Wifi |
---|---|
価格 | 1台18,150円〜 |
カラー | Snow |
重量 | Wi-Fiルーター380g Wi-Fi拡張ポイント350g |
速度 | – |
最大接続台数 | – |
対応バンド | 2.4 GHz / 5 GHz |
BUFFALO WiFi AirStation connect
AirStation connectシリーズで家中どこでもつながるがコンセプトの国内で人気があるBUFFALOのメッシュWi-Fiです。
シャープのスマート家電で連携しており、本メッシュWi-Fiを利用すればWi-Fi設定など簡単な手順で接続可能です。筆者は掃除機、洗濯機、エアコンなどはシャープを愛用しているシャーパーなので、シャープ製のスマート家電との連動は地味に嬉しい特徴です。
独自メッシュ機能で効率が良いメッシュネットワークを構築して、最大10台のWi-Fiルーターを設置して近くのルーターに接続可能な仕組みになっています。3階の寝室でも4K動画が快適に見れるので、戸建ての大家族向けの高速Wi-Fiです。フレッツ光よりもNURO光、auひかりなどを利用して下り最大速度のスピードを高めている人に活用してほしいメッシュWi-Fiです。
機器名 | WTR-M2133HS/E2S |
---|---|
価格 | 1台18,150円〜 |
カラー | パールホワイトグレージュ |
重量 | Wi-Fiルーター約970g Wi-Fi拡張ポイント約200g |
速度 | 215Mbps |
最大接続台数 | 15〜20台 |
対応バンド | 2.4 GHz / 5 GHz |
まとめ
いかがだったでしょうか。メッシュWi-Fiについて解説しました。従来のWi-Fiルーターと比較すると通信速度が非常に早くなるメリットが挙げられます。
特に実家で快適なゲーム環境を手に入れて自室にこもってゲームをしたい人は、メッシュWi-Fiに切り替えることで複数の光回線契約や異なる帯域(2.4GHz、5GHzなど)で接続できるWi-Fiネットワークを用意する必要がなくなるケースが多いです。また、機器に応じたルーターを準備する必要もありません。
Wi-Fi6対応のルーターを利用すれば2.4GHzと5GHzに対応している上に理論上の通信速度は9.6Gbpsを超えます。しかし、本格的にWi-Fi6が普及してもメッシュWi-Fiのメリットや優位性はゆるぎません。
従来のWi-Fiルーター環境を構築するよりも費用はかかりますが、数万円の出費で自宅に快適なWi-Fi環境を手に入れることができるので、メッシュネットワークを構築しましょう!
最後に本記事の重要な情報をおさらいしましょう!
- メッシュネットワークで同時接続台数の増加・Wi-Fi速度の向上が見込める
- GoogleのメッシュWi-Fi、BUFFALOのメッシュWi-Fiなどが人気
- Wi-Fiルーターを買い替えたり、中継機を使っても速度が改善しない人はメッシュネットワークを構築しよう